小児科
小児科

小児の病気は症状の訴えがなかったり、わかりにくかったりという特徴があります。また、発症や進行が急であることが多く、病気の種類も多数存在します。子ども特有の感染症もあり、感染症にかかりながら免疫を得ていくために、一生で最も感染症にかかることが多い時期といえます。
子どもの病気は大人とは様々な点で異なるため、日ごろから状態や平熱、顔色などをよく観察しておくことが大切です。
このような症状の方はご相談ください
など
「いつもと違う」という直感が、重大な病気の発見につながることもよくあります。お子様の症状やお困りのことは何でも相談をお受けしますので、お気軽にご相談ください。
当院で対応できない他科疾患(けがや骨折、皮膚疾患、耳鼻科疾患、眼科疾患など)や、より専門的な検査や治療が必要な疾患(低身長・思春期早発・遅発症など内分泌疾患、頭の形が気になる、発達障害、食物アレルギーの負荷試験など)は適宜、医療連携専門機関(安房地域医療センター、亀田総合病院、千葉こども病院など)への紹介をさせていただきます。
高熱が5日程度続く感染症です。目にも感染しやすく、目の充血、目やにを伴う場合は、プール熱とも呼ばれます。急な発熱からはじまることが多く、39〜40℃くらいまで上がることもあります。熱は昼間に下がり、夕方になると上がるなど上下する場合もあり、高熱の割に比較的元気なケースもあります。症状は、初期に熱だけのことも多く、途中から喉の痛みや咳、鼻水が出ることがあります。治療薬はなく対症療法を行います。
生後6か月くらいから4~5歳ころの乳幼児に多く、夏に流行します。
口の中の症状に少し遅れて、手のひら、足のうらなどに生米くらいの水疱性の発疹ができます。
乳幼児の間で流行し38〜40℃の高熱が2~3日続きます。のどの奥に小さな水ぶくれができ、痛みがあり食べることが困難になります。重度の場合、水分も飲めず脱水症になることもあります。治療は喉の痛みを抑える薬の服用などで対症療法を行います。
正式には流行性耳下腺炎といい、主な症状は熱と耳下腺の腫れです。耳下腺の腫れと同時に発熱がみられることもあり、3日目くらいが腫れも熱もピークとなります。予防接種は2~3歳までに済ませておくとよいでしょう。
感染を受けてから1~3日間ほどの潜伏期間の後に、38℃以上の突然の高熱、頭痛、全身倦怠感、筋肉痛、関節痛などが現れ、咳、鼻汁、咽頭痛などの症状がこれらに続き、およそ1週間で軽快します。
肺にマイコプラズマという微生物が感染することで起こります。若年者に多く、熱が下がらない、咳がひどいといった症状が続きますが、比較的元気なことも少なくありません。発疹を伴うこともあります。抗生物質を中心とした薬物治療が行われます。
溶血性連鎖球菌(溶連菌)による感染症で、かぜと同じような症状を起こします。急性咽頭炎を起こした場合、発熱してのどが痛くなり、のどや口の中が真っ赤になります。舌にいちごのようなブツブツができることもあります。食べ物を飲み込んだだけでも痛みます。治療によって2~3日程度でのどの痛みや発熱、発疹などの症状は治まります。
初夏から夏にかけて乳幼児や学童によくみられる病気です。皮膚表面に細菌が感染し、水疱や発赤、びらんなどができます。かゆみが強く、かきむしった手を介して、水ぶくれやかさぶたがあっという間に全身へ広がります。患部を清潔にして抗生剤入り軟膏を塗布します。
水痘・帯状疱疹ウイルスが咳やくしゃみで飛び散り、それを吸い込んだり(飛沫感染)、水疱が破れて出てきた液に触ったりする(接触感染)ことで起こります。37~38度程度の発熱とともに、赤い小さな発疹が現れます。水疱は2~3日でしぼみ、黒褐色のかさぶたになり、1週間程度で治ります。
このような症状がある場合は弱視の可能性があります
当院ではスポットビジョンスクリーナー(弱視検査)による検査が可能です
目の機能は生後から8歳頃に大人と同じくらいにまで発達します。特に1か月~1歳半頃にピークをむかえます。この視力の成長期に何らかの邪魔が入って正常な成長が止まってしまい、眼鏡をかけてもよく見えない状態を「弱視」と呼びます。弱視は早期に発見、治療を開始できればより高い効果が期待でき、4歳以下で治療が開始できれば95%の弱視は改善できると言われています。スポットビジョンスクリーナーは生後6か月からわずか数十秒で、お子様の負担なく客観的に弱視をスクリーニングすることができます。
検査の詳細は下記のページをご覧ください。
夜尿症は、5歳を過ぎても夜中に無意識の排尿が続く状態を通ります。成長過程で自然に治る場合もありますが、小学校に入学して続く場合は適切な対応が必要です。お子様の心理的な負担を軽減し、家族の日常生活を快適にするためにも治療が推奨されます。
夜尿症の原因は主に以下の2点があげられます。
夜尿症の治療は、原因と子どもの年齢、家庭環境に応じて異なります。
小児の便秘は、特に成長期における健康の不安として注意が必要な症状の一つです。小児の腹痛で最も多い原因だからです。便秘とは、排便の頻度が少ない、または排便時に苦痛を伴う状態をさします。身体的な不快感だけでなく、食欲低下や日常生活への影響を考える場合があります。
便秘解消の基本は、食生活の見直しです。特に次のポイントを意識しましょう
・食物繊維の摂取:全粒穀物や野菜、果物を積極的に取り入れましょう。
・水分補給:日常的に十分な水分を摂取させることが重要です。
規則正しい食事と睡眠、適度な運動を習慣化することで腸の働きを活性化できます。
排便のタイミングを固定化することで、自然な排便習慣を形成しましょう。
便秘が長くなる場合や、血便や強い腹痛を伴う場合は治療をお勧めします。医師の診察により、便秘の原因を特定し適切な治療法が提案されます。便秘は慢性的な疾患です。長い目で治療を行います。
小児期に発症するアレルギーは、赤ちゃんの乳児湿疹にはじまり、離乳食を開始するころからは食物アレルギーやアトピー性皮膚炎がみられ、生後6か月ころではゼーゼー・ヒューヒューを反復する喘鳴(ぜいめい)や、2歳前後の幼児期には気管支喘息が出現することもあります。
小児ではアレルギーの原因物質を特定することは難しいですが、問診・診察を進める中で疑わしいものや症状の軽減に有用であると判断した場合は採血によるアレルギー検査を行っております。
食物アレルギーは、特定の食物を摂取することによって、皮膚のかゆみやじんましん、咳やゼーゼー、腹痛、嘔吐などの症状を引き起こします。
原因食品として、乳児期から幼児期にかけては、鶏卵、牛乳、小麦に反応することが多く、成長するにつれてエビやカニ、そば、落花生、果物類などのアレルギーが増えてきます。
アトピー性皮膚炎は、強いかゆみと湿疹を伴う慢性的な皮膚炎症疾患で、乳幼児期に発症していることが多いです。皮膚のバリア機能低下や乾燥が原因で、細菌やアレルゲンが侵入し炎症を引き起こします。食物や環境要因も関与し、特に乳幼児では鶏卵や小麦が関連することが多い傾向にあります。離乳食開始前に皮膚の状態を良好に保つことで離乳食をすすめやすくなりますので早めの治療をおすすめします。皮膚の疾患は塗り薬が中心となります。当院では詳細な塗り方の指導を行い、継続して受診していただけるよう努めてまいります。
気管支喘息は、空気の通り道である気管がアレルギー性にただれて過敏になり、発作的にゼーゼー・ヒューヒューといった喘鳴(ぜんめい)や呼吸困難、夜間の咳などが起こります。
喘息をきちんと治すためには、早い時期に正しい診断に基づいた治療を始めることが大切です。当院では発作が起きてからではなく、起こさないようにする予防治療を特にお勧めしています。疑わしい症状がある場合は、お早めの受診をおすすめします。
アレルギー性鼻炎・結膜炎は花粉症とも呼ばれ、喘息やアトピー性皮膚炎などに合併することの多い疾患です。アレルギー性鼻炎は、放置すると副鼻腔炎(蓄膿)を起こしたりすることもありますので、お子様に気になる症状がみられたら、お早めにご相談ください。
当院では舌下免疫療法に対応しております。
じんましんは皮膚の一部が突然くっきりと赤く盛り上がり(膨疹)、しばらくすると跡形もなくかゆみと皮疹が消えるという特徴があります。たいていかゆみを伴いますが、チクチクとした感じや焼けるような感じになることもあります。発症して6週間以内を「急性じんましん」、それ以上経過した場合を「慢性じんましん」と呼びます。
薬物治療は、抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬などの飲み薬や塗り薬が中心となります。